世田谷代官屋敷
世田谷にあった彦根藩の領地
彦根藩は近江国の他、関東にも飛び地のような形で領地を与えられました。その一つが下野国(現在の栃木県)佐野領1万7693石で、もう一つが武蔵国世田谷領2306石です。これら江戸近在の領地で調達できる物資や労働力は、江戸屋敷での生活を支える助けとなりました。世田谷領の代官に任ぜられたのは、地元の旧家・大場家です。大場氏は源平合戦の「石橋山の戦い」で有名な大庭景親の子孫と伝えられており、室町時代には世田谷城主・吉良氏の重臣でした。豊臣秀吉の小田原征伐によって吉良氏と姻戚関係にあった北条氏が滅ぶと、大場氏は土着の郷士として帰農しました。
世田谷代官屋敷は大場家の役宅で、大名領の代官屋敷としては都内唯一の貴重なもの。1952年には「都史跡」に、1978年には国の重要文化財に指定されています。屋敷は表門、主屋、蔵、庭などで構成され、代官の職務は年貢収納のほか治安維持も担っていたため、被疑者を取り調べる白州も残されています。
代官屋敷の敷地内に建つ「世田谷区立郷土資料館」には、桜田門外の変の急報に接した当時の緊迫感や領内の慌ただしい動きを伝える大場美佐(当時の代官・大場与一の妻)の日記が寄託・展示されています。
- お問合せ
- 世田谷代官屋敷
- 住所
- 東京都世田谷区世田谷1-29-18
- 電話番号
- 03-3429-4237
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 月曜、祝日(月曜が祝日の場合は翌火曜も休館)
- 公式サイト
- https://www.city.setagaya.lg.jp/theme/kanko/003/003/d00131362.html
最終更新日:2024年06月12日 ※最新情報は店舗までお問い合わせください。