小石川後楽園
琵琶湖に見立てた大きな池を中心に廻る大名庭園
東京ドームに隣接する「小石川後楽園」は寛永6年(1629)、徳川家康の11男で水戸藩初代藩主・徳川頼房が中屋敷(明暦の大火後上屋敷となる)に築いた庭園で、二代藩主・徳川光圀(水戸黄門のモデルとなった人物)が手を入れて完成させました。
庭園の様式は、池を中心に築山、樹々、名石、灯籠、滝、東屋などを廻りながら景色の変化を楽しむ「池泉回遊式庭園」。海・川・山・田園と四つの景色の中に、日本各地と中国の景勝地を見立てた景観(縮景)が随所に表現されています。庭園内の最も大きな池である「大泉水」は琵琶湖を模した縮景として造られ、池には竹生島に見立てた岩が置かれています。また、池のほとりに植えられた「一つ松」は琵琶湖畔の景勝地「唐崎の松」に見立てたものと言われています。「唐崎の松」は近江八景の一つ「唐崎の夜雨」で知られる大きな松。中国の「瀟湘八景」(※)になぞらえて生み出された近江八景は、当時の人々の文化的教養とされていて、漢詩や和歌、絵画の題材として好まれてきました。琵琶湖を隔てて松越しに眺める景観は、古より文人の心をとらえてきましたが、小石川後楽園でも東から昇る月を松と池越しに見ることを楽しんだのではないでしょうか。
※中国の洞庭湖にそそぐ河川のうち、二つの河川「瀟水」「湘水」周辺の八つの名勝で、水墨画の画題として好まれた
- お問合せ
- 小石川後楽園
- 住所
- 東京都文京区後楽1-6-6
- 電話番号
- 03-3811-3015
- 営業時間
- 9:00~17:00(入園は16:30まで)
- 定休日
- 年末年始
- 公式サイト
- https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index030.html
最終更新日:2022年03月31日 ※最新情報は店舗までお問い合わせください。