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桜美林大学

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清水安三~「北京の聖者」と称された敬虔な宣教師~

 東京の郊外町田市に清水安三が創設した「桜美林大学」がある。この大学のルーツは、「北京の聖者」と称された創始者・清水安三が、キリスト教の宣教師として渡った中国・北京に始まる。
 安三は1891年6月1日、滋賀県高島郡新儀村(現在の高島市)に生まれた。1917年、同支社大学神学部を卒業した安三は、宣教師として中国に渡るが未曽有の大干ばつに襲われ、飢餓に苦しむ799人の幼い命を救うことになる。救済事業は完了したものの、北京で目にした貧しい少女たちの惨状を目にした安三はその状況を看過できず、読み書きや自立の為の技術を教える必要があると強く思うようになった。そして、1921年、安三は北京の朝陽門外に最低限の教養を身につけれる祟貞平民女子工読学校(後に崇貞学園と改称)を設立した。これが桜美林学園の源である。
 安三は、キリスト教精神に基づき国籍を超えて門戸を開き、分け隔てなく学べる学校として発展させた崇貞学園開設の3年後、オハイオ州オベリン・カレッジに留学し、生涯、安三が大切にした「学而事人」の教えの由来である“Learning and Labor”の思想に出会ったのである。
 1945年8月、敗戦によって全てを接収され、帰国を余儀なくされた安三は、帰国直後に偶然出会った賀川豊彦(桜美林大学初代理事長)に町田の地を紹介され、教育活動を再開することを決意する。これが「桜美林学園」の始まりである。安三は、中国で果たせなかった夢を日本で再出発させ、国や人種の垣根を越えて、人々の痛みを理解し、多様な価値観に対応できる人材を育てるために生涯に渡って心血を注いだ。
 1921年に1人の青年によって北京の地に蒔かれた「どんな艱難にあっても希望の光をともし続ける心」の種は、時を超え、ところを移し、日中でその精神が生きている。

詳細情報

住所
東京都町田市常盤町3758
公式サイト
https://www.obirin.ac.jp/

最終更新日:2023年10月03日 ※最新情報は店舗までお問い合わせください。 

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